ボケかけ母との            ハラハラドキドキ心模様
認知症と診断された80才の一人暮らしの母と娘の日常生活。そして、ふらふら揺れる家族の心と不安定な母の気持ち、泣いたり笑ったり怒ったり、そしてポジティブに暮らしていく現在進行形のお話。
もっとボケてる〜その1
リリーさんからの突然の電話  実況中継です。

リリーさん 「昨日の電話からずーっと考えていたんだけど。」

 「昨日の電話?」

リリーさん 「そうよ。あなたと話したでしょ。私のブラウスの裾がほどけたから、ミシンで縫ってもらおうと思ったら、あなたルナさん(主人の姉)にミシンあげちゃったって言ったでしょ。」

 「はあ〜?昨日電話で話していないわよ。」

リリーさん 「えっ!じゃあ、一昨日だった?とにかく4・5日前よ。

 「電話で話なんてしてないわよ。ブラウスのこともミシンのことも知らないけど。」

リリーさん 「だって、お宅に電話して女の人と話したのよ。あなた以外に女の人いないでしょ。おかしいじゃない。私が嘘ついているっていうの?」

 「嘘をついているとは言わないけど、私は電話でそんなことを話ていないわよ。」

リリーさん 「そんなのおかしいじゃない。私は話たんだから。とにかくその時あなたが私のミシンをルナさんにあげたと言ったのよ。そんなのおかしいでしょ。黙ってそんなことをししちゃうなんて…わたしのものなのに」

 「そんな話していないわよ。第一あのミシンはリリーさんが孫娘にかってやるっていって、家にくれたんだしょ。だから家にあるんじゃない。」

リリーさん 「何いっているの?私が買ってあなたのうちに置いておいただけじゃない。だから人のものを勝手にあげちゃうなんて、なんて酷いことをするのかと思ったのよ」 

 「はあ?あれは、10年も前に孫に買ってやるってくれたんでしょ。」

リリーさん 「そんなつもりなかったわよ。」

 「え〜そんなつもりなかったの?わたしは、リリーさんがお嫁に行く時ミシンを持たせなかったから今買ってあげると言われて嬉しかったのに、そんなことだったのガッカリしたわ。」

リリーさん 「そんな風なつもりじゃなかったのに。たとえそうだとして、私が買ってあげたものを勝手にあげちゃうなんて私もガッカリだわ。」

 「何いっているの?そんなことしてないっていっているでしょ。そんな話してもいないんだから。じゃあ、ハッキリ言うけど、ミシンをあげるって言われた時私は迷惑だったわよ。いらないものをとね…」

リリーさん 「だって電話にでたじゃない。私が嘘をついているっていうの?」

 「嘘をついているって言わないけど、私はそんな電話はしてないっていっているの!!」

わかっているのです。ボケたりリーさんにそんなことをいくら言ってもわからないことは…

リリーさん 「わたしのミシンを勝手にルナさんにあげちゃうなんて酷いじゃない。」

もう、どうやって電話をきったらいいのかわからなくなってきました。

 「そんなことはしていないってとにかく、何がしたいの?ミシンを返して欲しいの?」

リリーさん 「そうね。そうしてもらうわ。」

 「わかった!じゃあそうするから。忙しいからきるわ。」

と電話をきったのでした。

何かのきっかけでリリーさんの頭の中では、自分のミシンを娘が勝手に人にあげてしまったと思い、それがリリーさんの中では真実になったのでしょう。

もう私にはどう収めたら良いのかさっぱりわからなくなりました。

ミシンにかこつけて、結構今までの言いたいことを言えたのは収穫でした。(リリーさんに聞いてくれればわかるのですが、私は今まで逆らったことはないので。)

自分の思いが真実と思い込むことは、軽く今までもありましたが、こんなに酷いことはありませんでした。

あ〜あかなりすすんじゃったんだなあということはわかりました。

まだまだ続きはあります。また、後ほど〜

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進行中
ふと気付いてみると、あれほど毎日8時になるとをかけてきたリリーさんが全く電話をかけてこなくなりました。
8時に電話をかけるほど遅くまで起きていないということもありますが、そんな気力もないのでしょうか…
そして、墓参りに行こうとか、お煎餅を買いに行こうとか、下着を買いに行きたいとか、時々外へ行きたいということもなくなっています。その代わりに(?)左足が痛い、右足が痛い、歩けない、動けない、「今、息ができなくなっているから、スグに来て」なんていう電話もありました。息ができなかったら電話もできないんだけどねえ…などと思いながらリリーさんの家に行きました。

そして、最近はこんなこともありました。孫娘(私の娘)がリリーさんの家の冷蔵庫をのぞくと、卵いれのところにお年玉の袋が入っています。中身をのぞくと1万円入っていました。
リリーさんに「どうしたの?」と聞くと「どうしてそんな所にあるの?」と聞き返します。「自分でやったんじゃない?」とこちらも聞き返します。「知らないわよ〜どうしたの?」これ以上聞いても埒はあきません。私の想像によると、どこからかお年玉袋を見つけ出し冷蔵庫に大事にしまったのでしょう。
そんな少し訳のわからないことをするリリーさんをみると、“ア〜ア”と思うのですが…

ところが、昔の私の友達のことを不意に思い出したりします。お母さんが亡くなりお父さんが1人残され大変なことや、その人もスゴク苦労していたけど、とても優しく話しをする人だったとか突然にです。かなり詳しく覚えているのです。昔のことは覚えているけど、やはり近くのことはわからなくなるのですね。

そこで、またまた混乱する私です。ひょっとすると、そんなに認知症は
進んでいないのかしらあっと。でも、やはりお金を何に使ったのか、今日は何日か何曜日かわからなかったり、薬を飲み忘れたりも頻繁になってきました。

そして、こんなことも言ったのです。
「うちになんか帰りたくないって言えばいいのに!!」

これは私が「家に帰るからねえ。じゃあねえ。」と言って玄関で靴を履いているときにリリーさんの口から出た言葉です。可愛さのあまりプッと吹き出しました。が、確かにこんなことは、ほんの2.3ヶ月前には言いませんでした。
大人の部分がドンドン消えて、無邪気な子供の部分が出てくるのでしょうか。ウ〜ムそうしたら、母親であるリリーさんは忘れなきゃならないのかしら?…

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リリーさんの苦悩
ここ数ヶ月新しいセラピーのリニューアルやホームページの作成と忙しくすごして、すっかりこのブログとご無沙汰してしまいました

さてさて、こんなことってありませんか?
例えば子供の机からハサミを借りようと思って部屋の入り口まで行って何をしようとしていたのかわからなくなったり…そうそう私の友人は何故かガムテープが冷蔵庫の中に入っていたことがあったそうです。そんな時私達は「あ〜ボケたんだわ。」なんて気安く言うのです。

でも、リリーさんの認知症を見てきて思うのは、自分が本当にボケたかもと思った時の不安は、かなり大きなもののようです。
“頭の中の消しゴム”なんていう映画もありましたが、記憶がなくなったなんていうことがわからず、何もない白紙の状態のようです。そこに何かが確かにあって、でもどうしても思い出せないと言う状態でなく、初めから何もなかったとしか思えないのです。

初期の頃は、そんなはずはない。何かあったはずだと思い不安で仕方なくなるようです。でも、他人が自分のことを年寄りだからってバカにしているんじゃないかと怒りがこみあげてきたりもします。
しばらくすると、気付いてくるのです。「私がおかしいのかも…」と。
まわりの人が気付いているのに自分だけわからない部分がある…

お年寄りが何度も同じことを繰り返して言うのは今度は忘れないようにしようと思っているのかもしれないし、私はわかっているのよというアピールかもしれない。

わかっている振りをしなければならないこの時期のお年寄りは、他人と会うのは疲れてしまって嫌になることがあるのでしょう。
ボケ始めたら一気に何もかもわからなくなればどんなに楽かもしれません。

何度も同じことを言うリリーさんに「さっきもそれ聞いたわよ。」と言う気にはなれず、だからといって初めてのように聞いて驚く訳にもいかない私でした。どうしたらよいのでしょうねえ。
でもリリーさんも同じ事を言った事に気付いて「あ〜これ言ったわね。」ということもあります。そんな時のリリーさんはどんな気持ちなのでしょう……

よかったら見てください!!
新しいホームページ セラピールーム ユーリア
新しいブログ ゆず&あずのシャイニングセラピー


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決意
ある日リリーさんが「洗濯機の手許が暗くて」と言うので見に行ってみると、洗濯機のボタンの所に蝋がポタポタと垂れて固まっているのです「何をしたの?」と聞くと「暗いから明かりをつけたのョ」と。いつの時代まで遡ったのでしょうか。わたしは、さっそくピンクの可愛い懐中電灯を買ってきて、スイッチの場所や置いてある場所を教えましたが、数日すると部屋の片隅に転がっているのです。

仏壇の蝋燭に灯をともしたりするのも畳にマッチのこげた跡があったりして、とても危険です。

そんなこんなで火を使うリリーさんに不安をおぼえてきました。火事になったら…火傷をしたら…そこで兄と相談してガスはやめて電磁調理器を使うようにと勧めました。でも、歳とって認知症になっているリリーさんには、新しいことや新しい物に適応することができません。たった1個のボタンを押すだけなのですが…

そして夜は配達のお弁当がくること、昼はヘルパーさんに買ってもらうこと、お湯は電気ポットが沸かしてくること、電子レンジもあるし、ご飯は電気釜が炊いてくるることをゆっくり話しました。1番言いたかったことは、これからはガスではなく安全な電磁調理器を使うこと、そしてガスの元栓を閉めることでした。

私は浅はかにもリリーさんを説得しようとしたのです。リリーさんは、「そうね。そうしましょう。」と素直に言ってくれました。意外に簡単な成り行きにアレッ!という感じでしたが、さっそくガス栓をしめました。

(うすうす気付いていたのですが)絶対に納得していないだろうな。
兄にもガス栓を閉めたことを知らせておきました。とりあえず、今日は火事になる危険性が少し減ったかなと安心したのです。

翌朝、「やっぱりガスじゃないとダメよ。」とか「何かガスがつかないんだけど。」と言ってくるのではと思っていたのですか、リリーさんから音沙汰がありません。「あらあ、結構大丈夫なのかしらね。」と思っていました。

ところが、数日後リリーさんの家に行ってみるとガスの元栓が開いています。「どうしたの?」と聞くと「アーやっぱり不便だからお兄ちゃんに開けてもらったの。」と平然と言うのです。

私がこんなに火について心配しているのになんで簡単に元栓を開けるのか。兄にはことわったのに、と怒りがこみあげてきました


そんな時ケアマネの言っていた言葉を思いだしました。

「お兄さんとあずさんでは、リリーさんの認知症に対する理解に温度差がありますよね。」と。

ケアマネや主治医色々な手続き、連絡はすべて私のところにくるので兄にとっては今いち実感がわかないのでしょう。

そこで、私は兄に分かってもらう為には、兄に全てを任せてしまおうと決意しました。

全ての連絡が兄の所に行くように手配し、リリーさんから何か相談されてもお兄さんに聞いてみてというようにしました。

そうすると、不思議なことに私の肩の重荷がスルスルととれ、リリーさんの話もニコニコと聞けるようになったのです。そして、時々かかってくる兄嫁からの報告や相談のにものめりこみすぎずに落ち着いて聞いていられるのです。アー兄もこんな感じで一歩離れて見ている感じだったのね。と少し兄のこともわかるようになりました。

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ジャスミンさんの話のつづき
優しい母性の人ージャスミンさん。他にどうしようがあるの?みんなやらなければならないことばかりでしょと言われそうです。

でも、やっぱり考えて欲しいのです。例えば、病院に毎日行く必要があるのか?1人で行かなければならないのか?誰か代わりに行ってくれる人はいないのか?お姑さんに「午前中は、ゆっくり1人で静かに過ごしたいんだけど。」と言ううことがダメなのか?または、リラックス出来る居場所をつくれないのか?自分の兄弟や夫たちに手伝ってとどうして言えないのか。

“そんなにジャスミンさんが大変だ”とは気付かず、恨まれたり当たられてしまう廻りの人達はビックリしてしまいますよね。知らなかったんだもの。
そして、もう一つ…『生まれたばかりの孫の面倒を見るのを手伝ってやらなければ』と、ますます仕事が増えていくジャスミンさんを見ていると、こちらの方が身体や心のあちこちが苦しくなってきます

周りのみんなは、ジャスミンさんの笑顔や生き生きした暮らしぶり、楽しそうな声が大好きなのです。そんなジャスミンさんが見たいのです。
だからといって、他人の前では、苦しみや悲しみ疲れを押し殺して、微笑んでいてと言っているのではありません。そんなのは、ウソですものネ。

ジャスミンさんの心からの笑顔、自分の人生を充実して歩いている姿を見たいのです。その為には『私だけが我慢していれば,私がやらなければ』と思ってもらっては困るのです。廻りの人も誰かを助けたり、誰かを喜ばせたりしたいのですから。もちろんジャスミンさんの喜ぶ姿も見たいのです。
そんな他人の楽しみを奪ってはいけないでしょう。

お年寄りや子供の面倒をみたり人のために尽くすのは、とても母性的で美しいことです。でも、それが誰か1人の肩にだけかかって、苦しくなっているとしたら、間違っています

辛さやモヤモヤは、小さな芽のうちに摘んでしまえば、大きな黒い塊にならないのです。自分の人生は自分で輝かせていきましょう。

  Make your life shining!!

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プロフィール

あず

Author:あず
ただいまセラピールームOpen Your Heart ユーリアを開設し、共同経営者セラピストゆずと共に夢と希望にむけて歩んでいるところです。

〜ゆず&あず流〜 人生捨てたもんじゃない!
ある日突然認知症と言われた母、それを聞いた私は、否認・怒りそして受容へと前進していけるのでしょうか…



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