ボケかけ母との            ハラハラドキドキ心模様
認知症と診断された80才の一人暮らしの母と娘の日常生活。そして、ふらふら揺れる家族の心と不安定な母の気持ち、泣いたり笑ったり怒ったり、そしてポジティブに暮らしていく現在進行形のお話。
リハビリ
「立つことも歩くことも出来なければ、家に帰って生活をすることは出来ないのよ。」と言う当たり前のことをリリーさんに伝えても…リリーさんは「アラ車椅子があれば、移動は簡単だし楽チンよ。」と相変わらず脳天気。まあ、この楽天的なところが、随分と自分も周りも救っているのだけれど。

「車椅子って自分1人で操作して動いているの?誰かに押してもらっているんじゃないの?それでは、1人で車椅子にのっている訳じゃないでしょ。第一普通の家では車椅子で移動できるほど便利じゃないのよ。病院だから平らで広々しているだけなんだから。」

「そうかしらあ。」

「とにかく、せめて1人で立って歩けなければ生活はできないわよ。それをキチンと出来なければ家には帰れないんじゃない。」と私が言うと兄にも同じ事を聞き同じことを言われたようだ。翌日から先生に相談して歩けるようにリハビリをしたいと申し入れたのだ。

ここは、画期的なところだ。あのりりーさんが自分で歩かなければという気持ちになり、自分でリハビリをはじめたのだから…もう一度言っちゃうけど、あのリリーさんが結構つらいことをやろうなんて…カンゲキ

誰に聞いても一人で歩けなければ一人で生活はできないと言われたらしいけど。

怪我をしたわけでもなく、どこかに異常があるわけでもないリリーさんの足は、訓練すると筋肉がつき少しづつ歩けるようになった。

私も、歩けなくなっている→もう駄目だと内心思っていたが、本人のやる気と訓練で、可能性は沢山残されているのだなと妙に感心した。

単調な病院生活だけど歩きやすいリハビリを買ったり、80才の女の子だからとチョッピリきらきら光る赤いを買ったりして、少し変化をもたせた生活のリズムもリリーさんの気持ちを明るくする。

そして、隣のベッドの87才の女性(リリーさんよりすーっと前から入院していた)が、背骨がおかしくて首も上げられないと言っていたのだが、新しい治療を始めたら、起き上がり車椅子に乗れるようになったりした。愚痴も言わずに、周りの人に感謝しながら努力しているその女性をみていると、私まで拍手喝さいをしたくなる。
朝から晩まで、その人と話をしているリリーさんも何かを感じるところがあったのだろう。

単調な生活の中で、自分のために何かを買ったり、人と話をしたりすることってとても大切なことなのだ。そして、やはり行動をおこすことは本人が自覚しなければ、他人が手を貸せることではないのだと改めて思ったりもする。
人の気持ちを察して、よかれと思い手を差し出すことは本人にとっても良いことではないかもしれない。親切で優しい人、気の利く人。でも、チョッと待て!それってひとりよがりじゃない?って聞いてみる必要がありそうだ。

リリーさんは、1人じゃ何もしない。すぐに私に頼ろうとする。だから私はいつも縛りつけられてしまうと思っていたけれど…実は、私が離れなかったのかもしれない。自分でやろうとする力を奪っていたかもしれない。

そういえば、ゆずに言われたものだ。「本当にリリーさんが手放せないだけかなあ。あずは、顔と身体は前を向いていても、片手でリリーさんの洋服のすそをシッカリ掴んでいるように見えるなあ。」

「そんなことないわよ。私は、離れていたいのにすぐくっついてくるのよ。」そんなことはないと断言しても『ん〜、あるかも。』と思う自分もいた。

リリーさんの一言  すっかり親と子の立場が逆転しちゃったわよね



プロフィール

あず

Author:あず
ただいまセラピールームOpen Your Heart ユーリアを開設し、共同経営者セラピストゆずと共に夢と希望にむけて歩んでいるところです。

〜ゆず&あず流〜 人生捨てたもんじゃない!
ある日突然認知症と言われた母、それを聞いた私は、否認・怒りそして受容へと前進していけるのでしょうか…



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