ボケかけ母との            ハラハラドキドキ心模様
認知症と診断された80才の一人暮らしの母と娘の日常生活。そして、ふらふら揺れる家族の心と不安定な母の気持ち、泣いたり笑ったり怒ったり、そしてポジティブに暮らしていく現在進行形のお話。
ボケのあゆみ1
 認知症は、私達(私?)が想像しているようには、やってきません。例えば私は、こんな風に思っていました。
 ある日突然、年をとったリリーさんが私の顔を見て「こんにちは。どなたでしたっけ?」とか「娘の電話番号?」とか「ここは、どこだったかしら?」とか。こんな風に言われたのなら、確かに認知症だとわかるし、胸を張って()リリーさんは、ボケているのです。と宣言できるのです。しかし認知症は、ゆるやかにすこしずつジワジワとやってきます。「あれ?」「ちがうかな?」「なんだ、よかった。」「えっ?」「やっぱり」「何だか最近おかしいのよね。」と思っている日常が普通のことになってしまうのです。ある日突然朝起きたら、劇的にわからなくなっていて、誰が見てもおかしいなんてことにはなりません。だから、本人も真綿で首をしめられるように感じて、苦しいのでしょう。
 リリーさんの場合は
 まず薬の飲み忘れ。あまりに沢山の薬があるので、薬剤師さんが朝昼晩と1包みずつにまとめて1週間分のボードを作ってくれています。それを取り外して服用するだけになっています。でも段々に火曜日に見ると月曜日の昼だけ残っていたり、水曜日に見ると火曜日の夜だけ残っていたりという回数が増えているのです。
 元気な頃のリリーさんは引き出しの中のタオルや、下着は見事なほど綺麗に整っていました。ところが、ある日洗濯したての下着が押入れの布団の間に今にも落ちそうにささっていたりもしていました。
 また、具合が悪くなり毎日往診してもらい、点滴を受けていたのですが、「1回だけしか来てもらっていないのに1万円とられたのよ」と怒りモード。この頃のリリーさんは、とても攻撃的で何にでも腹をたてていたのでした。
 何か物が見つからないと、必ず私か兄のどちらかのせいになるまあ、たまに孫が来ていると、あの子が持っていったのかしら?となりました。ハサミやセロテープでもです。
 冷蔵庫を見ると口の開いたケッチャプが2本くらいと、マヨネーズも数本あります、と思えば賞味期限がはるかに6ヶ月、1年と過ぎたものがあったり…
 「ショートステイから帰ったら、家中にティッシュの箱がばらまかれているんだけど、どうしたのかしら?」と聞かれます。「そんな筈は無い。」と言ってもわかってくれません。なにしろ前日に私が家の中を掃除しているのですから。どう見えていたのでしょうか。
 日付や曜日を間違えるのは、私でもあることですが…例えば1日が木曜日だった時。りりーさんは、「今日は、1日の火曜日なのにデイケアでお習字したのよ。お習字は、木曜日にするのに、おかしいわよえ。」と言い出します。「今日は、木曜日よ。」と言っても納得しません。「カレンダーをひと月見間違えているんじゃない。」と言うと「そうだわ、そうよね。」と繰り返します。自分が単に間違ったとか、分からなくなっているというのは、どうも認めたくないようで、キチンとした理由があると納得するのです。(私が考えた理由ですけれど。)
 また、最近は確かにお財布に入っていた4万円がなくなってしまいました。どこにどう消えたかがわかりません。お金を出した時に一緒にいた姉(私の伯母!)を疑ったりしています。キチンと電話して姉に確認します。私は「そ、そんな事を聞くの!」と驚きますが、姉の方も「あら〜私知らないわよ。」と言うだけで、気を悪くしている様子もありません。(さすが、姉妹)結局どこに消えたのかわかりませんが、お金の管理は私がすることになりました。

テーマ:認知症を介護する家族の悩み - ジャンル:福祉・ボランティア



プロフィール

あず

Author:あず
ただいまセラピールームOpen Your Heart ユーリアを開設し、共同経営者セラピストゆずと共に夢と希望にむけて歩んでいるところです。

〜ゆず&あず流〜 人生捨てたもんじゃない!
ある日突然認知症と言われた母、それを聞いた私は、否認・怒りそして受容へと前進していけるのでしょうか…



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