ボケかけ母との            ハラハラドキドキ心模様
認知症と診断された80才の一人暮らしの母と娘の日常生活。そして、ふらふら揺れる家族の心と不安定な母の気持ち、泣いたり笑ったり怒ったり、そしてポジティブに暮らしていく現在進行形のお話。
気分転換
リリーさんは『目も見えず動けず、何も出来なくなったから何の役にも立たなくて嫌だ。』と言い始めました。でも、何かをしてあげることだけが誰かの役にたつわけではありません。

リリーさんに教えられることは、若い時にはモチロン、今だって沢山あります。病気の怖さや身体を動かすことの大切さ、お医者さんや薬に対する考え方、年をとることや、物の考え方。じぶんから何かを働きかけるだけでなく、存在することだけで、人の役に立つことってあるのです。無意味なもの、無駄なものなんてありませんよね。

ところで、
今から約5年前。77歳のリリーさんの喜寿のお祝いで、ディズニーシーのホテルミラコスタに1泊2日で泊まりに行ったことがありました。もう、その頃はかなり具合が悪くなっていました。もちろん、あの広いディズニーシーを歩き回ることは出来ません。
家からホテルまで車。ホテルの中は車椅子、ディズニーシーの中もモチロン車椅子で廻ることになりました。
車椅子に乗っている人がいると乗り物は最優先の1番よい席、パレードやショーも見やすい場所をとってくれるのです。《こんなことを言ってはいけないのかもしれないけれど…》これは、LUCKYです。

病気になったり嫌なことがおきた時は、ネガティブなことばかりに目をむけては辛くなるばかり。どんなものにももあるのです。

ディズニーシーに行った時のリリーさんは、具合も悪くならず楽しく元気に過ごせていました。それから1年くらいは、その時の美しい御伽の国のディズニーシーや楽しい2日間の話しで充分満足できたのです。それに何といっても日常生活とは空気の違う場所が快いものだったのでしょう。

でも、しばらくすると又「どこか行きたい、温泉に行きたい。」と言うようになったのです。

そこで2年後には、娘と2人で【あまり歩かなくてすむ温泉、近いところ】と探したのです。パンフレットを沢山集めて研究です。そして熱海に決定!東京駅まではタクシー、新幹線はグリーン車、駅を降りたらホテルまでタクシー。ホテルでの夕食は部屋で食べられる所。慣れない新しい場所では、よく見えないのだからと娘と2人で一生懸命探しました。旅行社に行き、電車もホテルも予約をしました。そして、「ホテルの予約もでき、切符もとれた。」と旅行社から連絡があった途端に…リリーさんは具合が悪くなったのでした。
するとたちまちリリーさんは、出かける自信がなくなりました。そして、この旅行はキャンセルとなったのです。連れて行く私は、内心ホッとしました。車の乗り降り、食事の仕方、温泉に入る時、トイレに行く時などを考えると行く前から疲れていた私でした。

当たり前のことですが、お年寄りは、1日1日年を重ねていき、弱ってしまうことがわかりました。

あずの一言 今日できることは、今日のうちに!明日がないこともある。
糖尿病
何故リリーさんが認知症になってきているのかというと、糖尿病が原因になっているのです。

糖尿病は、それ自体は命に関わることもなく怖くありません。ただ全く気付かずにジリジリと進んでいく病気です。

怖いのは、合併症。血管の中を余分な糖分が流れていくのだから、当然血流が悪くなります。血流が悪くなるということは、末端にある手足がしびれ、感覚がなくなるのです。釘を踏んだり、火傷をしたり何か怪我をしても、気づかずひどくなっていきます。最悪の場合は、手や足の切断になってしまうのです。
また、目の毛細血管も詰まり眼底出血がおこり、視力がおちてくる。そして、失明へとすすんでいきます。
内臓にも変化がおこり腎臓が機能低下していきます。
血管が詰まってくるので、心筋梗塞、脳梗塞にもなります。

そして、リリーさんも30年も患い続けている糖尿病で手足がしびれ、左目は失明、右目も形がわかるくらいにしか見えない視力です。腎臓も悪くなり、そして、脳の血管が詰まり気味になり認知症になってきたのです。

もちろん病院にも通い、薬も飲み、インスリンの注射もしていました。
ただ、それは糖尿だとわかってから10年以上も経ってからです。リリーさんが、糖尿病だと診断された頃はまだ“ぜいたく病”なんて呼ばれていたのです。そして、今のように血糖のコントロール(空腹時血糖やHbA1c)が大切なことだとはわからなかったし、知らなかったでしょう。

体重のコントロールをするためにカロリー制限をするというより『やせなきゃ、やせなきゃ』『食べすぎているんじゃないか』と心配したり、悩んだりを繰り返していました。そして、いくら食事制限をしても、何かが変わるわけでもないし、食べても食べなくても変わりはしないと元の食生活に戻ってしまうのです。血液検査の前だけ食事を控えたりはするのですが…

お医者さんにいっていれば治るのじゃないかとか、薬を飲んでいれば何とかなるのではないかと思っていたのではないでしょうか。

でも、違うのです!お医者さんは診察し、助言を与えてくれます。薬もだしてくれます。薬だって病気と闘う手助けをしてくれます。
“誰かが”“何かが”私を病気から救い出してくれるだろうと思っていては、助からないのです。その為に自分はどうしたらよいのかと考え、行動すると、サポートしてくれるお医者さんや薬が上手く働いてくれるのです。

リリーさんをみながら私は、そんなことを学びました。

リリーさんだって、身体が動かなくなり、目が見えなくなるとわかっていれば、もっと早く節制していたでしょうけれど。

自分の人生は、自分が主役!自分で生きなければいけないのです。そして、自分の身体は自分で作って責任をもたなければいけないのですね。

リリーさんの一言 私は糖尿以外健康体よ!!

テーマ:認知症を介護する家族の悩み - ジャンル:福祉・ボランティア

退屈気味のリリーさんは、週に2回デイケアサービスに通うことになりました。

ところで、何を隠そう私には、年の離れた兄がいるのです…何故だか私1人でリリーさんの世話をやいているような感じがしますが、兄の家もリリーさんの家の近く、私の家もです。ちょうど、三角形の頂点の位置、同じ町内に住んでいるのです。ですが、いつも兄はチョッと他人事のような関わり方をしている気がします。

そこで、リリーさんがデイケアに行くことになった経緯を兄に説明することにしました。

もちろん最初からです。
先生に認知症といわれたことから…まさか、そんなところでつっかえるとは思っていなかったのですが…
兄は、リリーさんが認知症とは俄かに認めがたかったようです。それはそうですよね。私は、今まで色々な場面に遭遇していたし、色々なことを聞かされていたけれど、兄にとっては初めて聞くことばかりです。
よくある年相応のわからなさじゃないのか?目がみえないからわかりにくいし、だからピントのはずれたことをしているように見えるだけじゃないのか?まわりの人たち皆で寄ってたかってボケということにしているんじゃないのか?リリーさんの所にいって話していても政治の話はするし、シッカリしているじゃないか!1人で何でもやっているし、何も不自由してないじゃないか。しまいには、先生はデイケアサービスと何か契約でもしているんじゃないか?とビックリなことまでいいだしました。

私が聞いていると、ヤッパリ母親の老いた姿は見たくないのかなあ、抵抗なのかしらとも思える言動です。でも、言われてみると妙な説得力もある。が、兄は知らないだろうけど、リリーさんは何一つ自分で出来ていることはないのだ。誰かが必ず手伝っているし、その誰かの確立は私のことが多く、色々な連絡は、私へと向けてくるのだ。
すべて私が引き受けて、兄に知らせなかった私も悪かったのかもしれない。他人に言うより自分で片付けたほうが早いとも思ったし…でも休みの日に1、2時間会いにいくだけの兄にわかるはずもない。それにまだ認知症になりかけなので、70%は正常、30%がチョッとあれれ?なのだ。その時だからこそ、外の刺激を受けたほうが良いということになったのだけれど…

「そうだよね、そうかもしれないね。」と兄の話に相槌をうちながら、『そう、このまま進行しなければいい。』と私も思うのです。でも、兄も「まあ、どちらにせよ、他人と触れ合うのは良いことだし、いいんじゃない。」という結論には達しました。
そして、またまた私が手続きをし表だって動きだす。何の疑問もなく…依然として、兄はお客さまのように他人事として受けとめているようにみえる。これは、後々色々な人達にも指摘されてしまう。

それに長年培ってきた兄と妹という関係(兄に言われたら、イヤとは、言えない。兄の言うことは正しいという教育を受けてきた悲しい歴史)が微妙に影響している。

ともあれ、リリーさんは、初めの内は楽しみにデイケアに通いだしたのです。

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プロフィール

あず

Author:あず
ただいまセラピールームOpen Your Heart ユーリアを開設し、共同経営者セラピストゆずと共に夢と希望にむけて歩んでいるところです。

〜ゆず&あず流〜 人生捨てたもんじゃない!
ある日突然認知症と言われた母、それを聞いた私は、否認・怒りそして受容へと前進していけるのでしょうか…



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