ボケかけ母との            ハラハラドキドキ心模様
認知症と診断された80才の一人暮らしの母と娘の日常生活。そして、ふらふら揺れる家族の心と不安定な母の気持ち、泣いたり笑ったり怒ったり、そしてポジティブに暮らしていく現在進行形のお話。
83才なんです
近頃のリリーさんの口癖

わたし 83才なのよ…83才。 年とったのよ!!

そんなことは知っているのに何故確認を…

誰が見てもひとめでわかりますョ

でも気づきました

そうか大発見!!リリーさんは、生まれた時から83才じゃなかったんだ

お風呂やさんの帰り道、コロッケを1つずつ買って、食べながら夜道を歩いた優しいお母さんだったリリーさん

アデノイドの手術をした時、ずーと心配そうに見つめていたリリーさん

私の学校の役員を何年も引き受けて張り切っていた元気なりりーさん

友達や姉妹で旅行に行ったり、食事に行ったり…

私のベッドで1日中本を読んでいる時もあったっけ…

「私の足の下に足いれないでよ!!」なんて私の足を踏んでおいてトボケタことを言っていた時もあったし…

突然の大雨に「駅まで傘もってきて」と電話しても、「何も二人で濡れることないじゃない。」なんて信じられないことをさらっと言う母でもあった。

糖尿がひどくなり歩くのも苦しい時に、夜遅く駅までハアーハアー言いながら迎えに来てくれる優しい母の時もあった。

リリーさんにはりりーさんの時間の流れとまだまだ沢山の出来事があったのだ。

そして、その中に私の母親の時もあっただけ。

でも、私には母親でしかないリリーさん
頼りになったり、優しかったり、強かったりする母親なのだ。

ここ4,5年いや10年くらいは段々母親ではなくなっている気がする。

母親だと思っていた人が母親でなくなるときがくるなんて、そんなことがおこるとは、想像もしたことはなかったけれど…

私の知らない母親らしからぬところが出てくると、ムショウに怒りが湧いてきたりする。

「なんでこんなこともわからないんだ!!」
「なんで私を頼るんだ!!」
「なんで自分の身体のことがわからないんだ!!」

でも、もう母親の役目は終わってとっくに終わっていたのかもしれない。

そのことに気づいていなかったのは私だけ…?

強くて、働き者で、何でも知っているお母さんと思っていたんだけど

眼もよく見えず、身体の具合も悪く、年をとってしまい誰かにたよって生きていたいリリーさんが、一人で一生懸命やろうとしている。

必死で自立しようとしているところをフォーカスすると、何と立派で何とけなげなことか

    フレーフレーリリーさん

    えらいぞえらいぞリリーさん

でも私は、子供たちにとって、最後まで母親でありた〜いがんばるぞ




テーマ:認知症の介護 - ジャンル:福祉・ボランティア

あわや!火事に!!
リリーさんの家に言ってみると、
ガスコンロの上の換気扇カバーがやけこげていました

わたし  「ここどうしたの?」

リリーさん「何のこと?」

リリーさんは全然わかっていません。
りりーさんはこんなに炎が上がっても気づかないのだから、このままほおっておくと、火事になりかねない  タイヘン

それから私は一応リリーさんに説明しました。

このままガスを使うと危険なこと。
夜はお弁当をとっていること。
お湯はポットが沸かしてくれること。
ご飯はジャーが炊いてくれること。
温める時は、電子レンジがあること。

世の中電気さえあれば、生きていけちゃいますね。

というわけで、ガスコンロはやめてIHの電磁調理器にしなければだめなのよ!!と主張したわけです。

リリーさん「でも、煮物とかするのに困っちゃうわ。」

私    「煮物なんて何年もやってないでしょ。」

リリーさん「だって、チャーハンとかもするし。」

私    「電気でできるわよ。」

リリーさん「ま、そうよね。お弁当もくるんだし。いいわガス止めちゃって。」

ここぞと、
私は、ガスの元栓を閉めようとしたのですが、長年元栓をしめていなかったので、油で固まり私の力ではビクともしません。  ウーム?

それならと、ガスコンロの電池をはずしました。  NICE IDEA
必ず言ったことは忘れてガスを使いたがるだろうから、使えない方法を考えたのです。

翌日、
リリーさんの家には兄が来ていました。

兄「ガスコンロの電池がはずれていてタイヘンだったんだよ。だから電  磁調理器に変えて、使いやすくしているところなんだ。」

やっぱりリリーさん忘れていました。

「あらそ〜」と私はとぼけることにしました。

リリーさんは、ウンウンと納得して説明を聞いている様子です。


ところが、この後おもいがけないことがおきました

数日後の夜、リリーさんから電話がありました。

リリーさん「やっぱり、ガスじゃないと不便だからガス会社に電話してコンロを買ったのよ。」

私     「えっ?」 待てよ。最後まで聞いてみよう。

リリーさん「そしたらね。夕方、ガス会社から電話があって『娘さんから電話でガス台を母に売らないでくれって言うから、売れない。』って言うのよ。」

私    「ハアーそう。」

リリーさん「あなた電話したの?ま、いいんだけど、あなたが心配してくれてるんだから。やめたほうがいいなら、やめるわ。」

私    「そうね。やめたほうがいいわね。」

リリーさん「ガス会社はあなたが断ったから電話しなくていいわよね。」

私は、
これは明日朝一番にガス会社に電話しなくてはと決意しました

翌朝
私    「母がガスコンロを注文したと思うのですが。」

ガス会社 「はい!承っています。今から配達に行くところです。」

私は鄭重に謝り断りました。
ガス会社の人は、「そういえば娘さんがガス台を持っていっちゃたのでと仰っていましたよ。」

でも、とても感じよく了解してくれました。

私は、再びお詫びし感謝して電話をきりました。

リリーさんの中で、何故私がガス屋さんに断ったことになったのかは、今もってわかりませんが…

色々なことがリリーさんの頭の中で巻き起こっているようです。

お蔭様でこの時からガスは使わない生活をしています。

ヒトマズ安心です

リリーさんの良いところは、勝手に断った(と思いこんでいる)娘のことを怒ったり、恨んだりするのではなく、私のことを思ってくれているんだと考える(思い付く?)ところです。

わが母ながら、本当に心根の良い人です。

たいがい誰のことも疑ったり、悪く思ったりすることはアマリないのです。

ここは、見習いたいところだなあ…

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想像の世界
2006年も終わりに近づいています。

リリーさんの今年の変化は結構激しいものでした。

先日、リリーさんは私の息子(リリーさんにとっては孫です。)タッキーについて語り始めました。

リリーさん 「タッキーは、蕎麦やの旦那さんに気に入られてお店に住み込んで働いているのよね

タッキーは、今大学4年生、デパートの中に入っているお蕎麦やさんでアルバイトをしています。

わたし  「そんなことはないわよ。デパートの中では住み込めないでしょ。第一毎日家に帰ってきてるし…

リリーさん  「あらあ〜そうだっけ

そして、話は変わります。

リリーさん  「タッキーの蕎麦やさんに行ったわよね。ほら暖簾くぐってさあ。」

わたし  「わたしは行っていないわよ。」

リリーさん  「あ〜お兄ちゃんと行ったんだわ。そしたら、タッキーが天麩羅たくさん出してくれて。おいしかったわあ。店長さんも、タッキーが良く働くからって天麩羅もってでてきてくれて。」

リリーさん  「それにお土産にまた沢山天麩羅をくれたのよ。翌日の昼まで食べたのよ。」

わたし  「それは、よかったわねえ。

リリーさんは以前より楽しそうに生き生きと色々なことを話します。

リリーさんの中では、全てが真実で自分の中で起こっていることなのでしょう。

それを私は否定をするつもりはありません。

そんなことはなかったとわからせ、不安にさせても誰が嬉しいのでしょう。

それよりは、りりーさんがいつもの椅子に座り、自由自在に色々な所へ行き、楽しんでいることの方がホットします。

タッキーにリリーさんの話したことを教えました

タッキーは「そうか、良かったよ。おれが何もしなくてもお婆ちゃん孝行できてて、じゃあ、実際そうだったってことで。

認知症とは、それぞれの認知の仕方に問題を生じるということなのが改めてわかりました。

そして回りの人間が、時にはその世界に入ってみるのもいいかもしれません。

私が何故そんな心境になったかは、後ほど…

何だか元気で楽しそうなリリーさんになったという報告で2006年が終われることが嬉しいです。

みなさま  良い年をお迎えください。

            



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また!電話だ!
我が家の電話のディスプレイがリリーさんからの電話だと知らせています。

「まだなんか言い足りなの?」と電話にむかって言いながら、受話器をとりました。
実は、私はもう兄と話してスッキリしてしまったのです。

 「もしもし」 

リリーさん 「あっ!○○ちゃん(未だに“ちゃん”付けです)お母さんです。ず〜っと電話していたのに話し中だったでしょう。」

 「そうよ。」

リリーさん 「忙しいのねえ〜。イエネさっきは御免なさいよく考えたら、あれは、孫にあげたものだからいいのよ。それだけ言おうと思って。」

 「あら、そうなの?それならいいんだけど。」

リリーさん 「そうなのよ。じゃあね。」

と、これだけでした。

マズイと思ったのでしょうか?
訳がわかりません。


さてさて、翌朝。

またまたリリーさんから電話です。
前日夜でかけていた私に3件も立て続けに留守電が入っていました。

用件を告げると満足気に電話をきりました。

すると、今度は兄嫁からの電話です。

兄嫁 「今リリーさんから電話があって、いくら電話しても○○さんが出ないんだけどどうしたんだろうって。」

 「えっ今電話で話したところよ。完全に会話してたんだけど。」

兄嫁 「あらあ。昨日のミシン事件も大変でしたね。うちの娘が丁度リリーさんの所へ行ったらず〜っとその話をしてたらしいですよ。」

 「あれもねえ〜そんなやり取り全然してないんだけど、真実だと思いこんでるのよ。かなりすすんでるわよね。そちらへにも迷惑な電話多いんじゃない、ごめんね。」

兄嫁 「いいえ〜まあ、うちは大丈夫ですよ。」

こんな顛末でした。

これからは、こんなことがもっと増えていくのでしょうか?

兄はそんなに酷いことは、自分には言ってこない。私にだけそうなってしまうんじゃないか?
それだけ近い甘える存在なんじゃないかと、言います。

でも、これからは、近所の人や親戚に訳のわからないことを言いだしたりするのかもしれない…
いや、もうしているけれど、私や兄が知らないだけかもしれないのだ。

もう時間の問題かもしれない

自分の中に抱えたモヤモヤ、解決できていないリリーさんとのモヤモヤと真剣に向き合おう。

後悔をしないように。



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もっとボケてる〜その2
リリーさんの電話をきったあと、私はすぐに兄の所へ電話をかけました。

というのは、電話をきる時にりりーさんが「じゃあ、お兄ちゃんに車で取りに行ってもらうから」とタンカをきったものですから。
それに進行具合を兄に知ってもらおうとも思いました。

 「また、リリーさんが変なこと言っていて、お兄さんに迷惑かかりそうだからお知らせしようと思って。」

どうも私も認知症のリリーさんに巻き込まれていますよね。ボケているんだということを忘れて、リリーさんの言うことを真に受け兄に電話で頼むんだと思うのだから…ここが家族の悲しい所です。

 「どうしたの?」

は、かいつまんで話ました。

 「何をやってんだよ〜わからなくなっている相手に本気でわかってもらおうなんて思って、反論したって仕方ないじゃないか。」

 「わかっているわよ。でもどうしたらいいの?」

 「適当に流すしかないだろう。」

 「それじゃあイヤなのよ。今だけの話じゃなくて、小さい頃からなんか理不尽なことがあったなあなんて思いだしたり。適当に流してきちゃって、後で苦しくなったし!なんてことを考えたりね。だからりりーさんの生きているうちに言いたいことは言おうってきめたのよ。
なかった電話をあったように話すなんてかなり進んでるでしょ。まったくなっかったんだから。

 「そうだよね。でも年寄りの記憶ってそんなもんじゃないの。80過ぎてる訳だし。」

だから記憶じゃないんだって

兄はまだリリーさんの認知症を認めず、年のせいだと思いたいのでしょうか?

 「そういえば、そのミシン10年くらい前にリリーさんがあげったって言ってたよ。なんか言ってきたら、そう言ってやるよ。
俺も10年くらい前にホットカーペットをもらったら、勝手に持って行ったとしつこく言われているよ

普段、兄との電話なら用件を言って、5分か10分で終わるのに、なんだかんだとの話も聞いたりして1時間も話していました。

段々と伝えたいことがずれてしまいました。
は、ありもしない電話を真実のように思いこんでしまっているりりーさんの状態を言いたかったのです。

 「とにかくそんな事があったということだからね。」と電話をきりました。

リリーさんにも多少の自覚があるみたいです。
「最近変なことばかり起こるのよ。

 「今日のこと以外で何があったの?」

「そんな事覚えていないわよ

そりゃそうでした。

さて、兄との電話をきると又電話が鳴りました。

リリーさんです。                 
              つづく      

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プロフィール

あず

Author:あず
ただいまセラピールームOpen Your Heart ユーリアを開設し、共同経営者セラピストゆずと共に夢と希望にむけて歩んでいるところです。

〜ゆず&あず流〜 人生捨てたもんじゃない!
ある日突然認知症と言われた母、それを聞いた私は、否認・怒りそして受容へと前進していけるのでしょうか…



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